森博嗣「四季」。「春」から「冬」まで4冊まとめて。というか、うっかり愛蔵版BOXセットなぞ買ってしまったよ。文庫4冊より6割くらい高い。S&Mシリーズはノベルス版が出ると同時に買って読んでたけど、Vシリーズ以降は文庫落ちしてから読んでたんだが。
「春」: 四季5歳。叙述トリックの類ということか (すぐ分かるが)、ある書き方がしてある。読みにくいだけのように思う。登場人物に同調できないこともあって、面白くなかった。
「夏」: 四季13歳。ということは、あの事件が語られる4冊中のクライマックスなんではと期待して読み進んだが、うーん。そういえばこれまでは明示されなかったシリーズのある仕掛けが初めて明示的に語られているのかな。まぁVシリーズ全部読んでれば想像はつくところではある。
「秋」: 四季33歳。S&MシリーズとVシリーズの主要登場人物がぞろぞろ出てくる、という以外にはなにもない。
「冬」: かなり将来のようだ。意味不明。
4冊ともに、ミステリィを期待したらなんだか全然違うものが出てきた、という感じ (一応密室殺人らしきものが発生する巻もあるが)。四季という特殊な人物を通じて「何か」を語りたかったんだろうが、特殊すぎて同調できないせいか、さっぱり分からなかった。これはミステリィだと思って、そういう読み方をしてしまったせいもあるかも知れない。
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