チョウ危ない大移動…“衝突”防げ!と交通規制 (産経イザ!)。ここででてくる「紫斑蝶」の和名はルリマダラ (総称、というか、属の名前かな。種の名前としては、なんとかルリマダラとかなんとかムラサキとかいう)。この仲間のリュウキュウムラサキなどは、台風などに乗って日本に迷い込んでくることもある。その仲間がこうやって密集して大移動するとは知らなかった。
マダラチョウの仲間 (マダラチョウ科、最近はタテハチョウ科に含める場合もあるようだ) は、長距離を移動することで知られている。記事中にも出てくるモナークチョウ (monarch butterflyまたは単にmonarch) は普通オオカバマダラ (沖縄とかに住むカバマダラのでっかいヤツ、という意味あい) と呼ばれ、米国の南端から北端まで数千kmを密集して大移動するので有名だ。長距離移動のために脂肪を蓄えており、羽をむしって食用とする地方もあるそうだ。なにしろ休息の際には泊まった枝がたわむほど密集して移動するので、捕獲もさぞかし容易なことだろう。
日本でもっともよく見掛けるマダラチョウが写真のアサギマダラ (中央の大きいやつ)。割と好きなチョウで、PHSの背景にこの写真を貼ってたりする。1年で南西諸島と本州付近を往復する。本州だと夏から秋にかけて、まれに街中でも見掛けるし、ちょっと郊外の公園などに行けば、わりと普通に見られる (1000km以上を移動するので、その程度は誤差なんだろう)。ふわふわと優雅に飛ぶが、渡りのときは1日に何百kmも飛ぶんだそうだ。
ところでマダラチョウの仲間はたいてい派手な外見をしている。これは幼虫の頃に食べる食草に毒が含まれていて、チョウになってもそれを体に残していることから、天敵に対して「毒に注意」を示す警戒色だとされている。単に体に毒を持っているだけではイヤガラセにしかならず、自分を食ってもいいことないよと示さねばならない訳だ。で、中には、先ほど少し出てきたカバマダラとそっくりな外見を持つことによって身を守るチョウやガもいるのが面白い。特にメスアカムラサキは、その名の通りメスだけが赤いカバマダラに似ていて、オスは似ても似つかぬ色をしている。
と、マダラチョウにまつわる蘊蓄をたれてみました。
コメントする