西村京太郎「名探偵が多すぎる」。再読。書店で「名探偵なんか怖くない」が、綾辻行人との対談を追加して再版されているのを見かけたのでふと思い出した。「多すぎる」は絶版なのかな。
エラリー・クィーン、エルキュール・ポアロ、ジュール・メグレ警部、明智小五郎の4人の名探偵を一同にそろえたオマージュ作品。こういう作品は、各登場人物をうまく書かないとそれぞれのファンを敵に回しかねないわけだが、そこはさすが日本のミステリの第一人者、違和感なく仕上がっている。凝ったトリックが登場することもなく、キャラクターを楽しむ気軽に読める小説。うれしいことにちゃんとメグレシリーズの影の主役であるメグレ夫人がいい味を出している。
が、一言言いたい。名探偵はよく書けているが、ルパンはこんなんじゃなーーい!!!
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